家を建てることになったので

北国の地(試されてない大地だけどそこそこ寒い)、不惑間近でマッマと二人で家を建て直すことになりました。その備忘録です。

契約

契約してきました!


着工は来年春です。
その経緯はおいおい語っていきたいと思います(´∀`)

これで決まり……? と思った五件目

前回までのお話
マイホームをお任せする業者が決まらぬ。




なんやかんやで単純な娘はマッマのナチュラル系の呪縛に唯々諾々と従うことになりそうになってきた。無垢材は汚れが落ちないのよとかそういうお話はたぶんマッマにしても仕方がない。もう目も悪くなったマッマである。気にせんだろう。個人的にナチュラルでシンプルなものよりもっと陰気なものが好きなんだけど(暗がり寒色大好き)、まぁ半分はマッマがお金を出すのだし。っていうか業者のあれこれとか全部私がやってんだけど私の趣味の反映はままならない、そんな日々。


マッマが気に入ったビルダーさんに見積もりなどをもらうことにした。
県下で10番目ぐらいの地元では大きめの、そして東京の大企業に身売りした資本はしっかりしたビルダーさんだ。営業スタイルも独特で、営業さんスーツ着てない。事務所は基本的にモデルハウス内のようで、打ち合わせもそこで行われ、人気があるようで騒がしい賑やかである。


正直に言えば、このビルダーさんの印象は「若い」だ。
営業さんも若い人が多い。スーツ着てないから三割り若く見える。全体的にシャレオツな内装、ビンテージ家具を並べ、塗り壁にパイン材の床、アイアンやステンドグラス、フレンチドアにタイルの造作キッチン。


……うぇーい場違い。


岩手では珍しい感じのビルダーさんだ。県産木材を使ったり、こだわりも多々あるらしい。家の間取りもシンプルで嫌いじゃない。プロヴァンス風の外観が主力の、そういうビルダーさんだ。
「経年劣化を楽しむというコンセプトです。ジンテージのものなどを楽しんで使う家を提案しています」
っていう、感じのことを言われて、ふーん??? という気分になった。
ビンテージって、あれか。無垢の床材が経年劣化で細ってささくれ立って肌に突き刺さり終いには二階の床から一階の床が見えるぐらいにスカスカに隙間が開くとか階段が反って踏み段が斜めになるとかそういうレベルの?
正直にいうと、言ってる営業さんは家具ではなくて家の経年劣化って理解してんだろうか???って思ってしまった。我ながら人間歳をとると穿った見方しかしなくなって性格悪くなるなぁ。はぁ。
家の造りの善し悪しは判らないけどシンプルで素敵な内装だと思う。たぶん。でも、なんだろう。営業さんの話を聞いているともやもやしてくる……。
「うちは予備金というものを作っていて、例えば200万から300万の予備金の中からオプションを選んでいただいてます」
「契約後でも間取りは変えられますよ」
「すでに着工枠が埋まっていまして、来年の春の施行ですと6月中に決めていただかないと」
……なんだろう。なんだろうなぁ。営業さんがなんかしっくりこない。なんだろうこれ。
この会社布基礎なんだけど、布基礎の話を聞いたらベタ基礎のことdisってきたり(Aラホームの人に聞いたら「それは施行次第で、しっかり作れば基礎にそんなに優劣はないですよー」って言ってたしその通りだと思うんだけど)昔ながらのデザインの家!とか言ってる割りにプロバンスなんて日本と気候正反対の国のデザインが主力なのかよとか、窓の配置(見た目)にこだわっています! ってじゃあ使い勝手はどうなるんだとか、聞くこと聞くとこなぜか耳に引っかかってしまう……
ほんと、なんだコレ。
間取りも書いてもらったけれど、なんかしっくり来ないっていうか、一発目で全然こっちの意図したものが来なかったし……(廊下は極力いらないというのに、謎の回廊が家の中心にある)
当初はこの会社さんにお願いするかな〜って思ってたのに、なんかそういう小さいイライラが蓄積してしまって、もやもやとしてしまった。うーーん。
こんな気持ちで家なんて建てられるのか、建てていいのかな……?


それと、もう一つこの会社でうーんと思うことは、断熱について。
我が家を建て替えする最大の理由は、ずばり寒さからの逃避に他ならないので、ここのところをきっちりして欲しいなって思ってたんだけど……。
なんだろう、最初営業さん、うちは構造の説明はあんましないんですーって言ってて「?」って思ったし、FF暖房一台だけで大丈夫ですよって言ってたしそうなんだろうなぁとも思ったけど、うーんうーん。
布基礎、従来工法かぁ。うーんうーん。


マッマはお気に入りのようだったし、このままこの会社で決まるのか、いや、でも、こんな中途半端なままじゃいかん。無理だ!


そう思い、新たなビルダーさんを探す旅に一人出たのでした。

四件目

マッマのナチュラル系呪縛に抗わんと、私個人が気になる会社へ。
Aラホームは最近岩手にできた新しい全国区のハウスメーカーだ。高断熱高気密がウリの、ローコスト系と言われるタイプの会社さん(って思ってたんだけど、たいして安くなかったw)
凄まじいでかさのモデルハウスを見学に行くと、丁寧に営業さんがお相手してくださった。
この会社はお話をすすめるのに事前にうん万円納めなきゃならないんだけど、なぜか納めなくてもいいことに。緩い。大丈夫か。


とりあえず土地を見にいきますというので、無職のマッマにお相手をお願いする。

すると、

「なんか、三人でぞろぞろ来たわよ」
そうなの? なんだか男性三人ってだけでマッマはプレッシャーを感じた模様。漂うアウェイ感。

とりあえず簡単な間取りを頼んで、いざ一回目の会見。

Aラホームさんの事務所にゆくと、なるほど営業さん+所長さん+設計さんのそろい踏みキタ━(゚∀゚)━!


さっそくオッサン三人を向こうに回し間取りの説明。まぁ私もオバさんですけども(´∀`)

なんだ、けど。


(´∀`)?


なんか全然思ってたのと違うのがきた。

さすがに考えてたのと違いすぎる間取りに、ヒヤリングがウマくいってなかったねってことで、その日は次回の打ち合わせを決めてお家へ帰る。

その時の会談は、正直に言うとあれ? というものだった。
なんていうか、会話が続かない。沈黙が落ちる。そういうときは、なに? 私が話題を振らなきゃいけないのかい?(´∀`;)って感じで、正直疲れた。

営業さんも設計さんもすっごく真面目そうな誠実そうなタイプなんだけど、そのぶん話術が無いと言うか、心にもないことは言えないタイプの人なんだなって……。

一抹の不安を抱きながら、次の打ち合わせへ。

こちらの要望を酌んだ間取り……とはちょっと違う感じのものが上がってきている。まぁこれはいい。設計さんもいることだし、どんどん要望を言う。言う。言う。私が一方的に言い続ける。

つ、疲れ……。
また次回間取りを変更したものを作ってもらうということで、この日はお開き。あと、なんか、所長さんが別の人にすげ変わっていた(´∀`)移動か……

次の打ち合わせ。間取りと外観のアレコレの要望を言う。言う。言い続けるのももう限界だし沈黙は怖いし、ねぇムーミン。


ところでこの間取りの家って、それでいくらぐらいするの(´∀`;)


なんでこうなったのか、結局Aラホームさんと四回も打ち合わせをするが、一回も、ざっくりとした見積もりさえ出してもらえず。私としては打ち合わせのたびに出してもらえるもんだと思って訪問してたので、ガックリしつづけ。だっていくら間取りを変更しても、それがいくらかかるか判らないんじゃ怖いんだよぉぉぉぉ。


最終的に、一生懸命頑張って作ってくれた見積もりをいただいたその日に、お断りしました。
もうAラホームさんでお家を造る気力がまったくなくなってしまっていました。真面目だしきちんとした会社さんだということは、打ち合わせの議事録的なものもちゃんと作ってくれて判っていたんだけど、家の造りもしっかりしてて魅力的だって思ったんだけど。

ほんとうにもう疲れた(´∀`)


ラストに所長さんに、

「ちゃんと理由を言って断って下さる方って少ないので有難いです! もっといっぱいダメだったとこ言ってください( ゚∀゚)」
なんのプレイだよ……(´∀`)まぁ言いたいこと言ってしまったけれども……


そんなこんなで、Aラホームさんもマイホーム戦線から消えていったのでした。