家を建てることになったので

北国の地(試されてない大地だけどそこそこ寒い)、不惑間近でマッマと二人で家を建て直すことになりました。その備忘録です。

六度目の正直2

(続いた)黒塗りのBMWが現れたのだった。
(あ、コレは社長っぽいな)私のたいして鋭くない嗅覚がそう告げる。そりゃおめぇ、黒塗りのBMWでくるのは社長だろうよ。
「お待たせしましたー」 
運転していたおじさんと一緒に降りて来た若い女性はニコニコと鍵を開ける。 
「すみませーん。モデルハウスって常駐してるのかと思って☆ 予約制だったんですねー」 
「大丈夫ですよー」
とりあえず笑って誤摩化しておいた。この場限りの付き合いになるかもしれぬので恥はかき捨てでござる。 
社長とおぼしきおじさんは、こちらについて回るわけでもなく、お花に水やったりしてる。まぁワイ選手、四十まぢかの女一人が来た所で冷やかしだと思ったんだろう。別にいいんだ。お姉さん美人だし(そこか)
お姉さんに家の間取り図をもらい、いざ見学。塗り壁、板張りの壁、無垢パイン材の床。入った瞬間、なんか しん…… って静かな感じがした。 
ナチュラルテイストで、これならマッマも好きな感じだ。
「このLDKの広さは何畳ですか?」 
「このパントリーいいですね」 
「風呂の広さは」 
「あ、これが噂の断熱材ですかーなるほどぉ」
とりあえず一通り質問をかます。
「母親と二人で平屋のお家建てたいと思ってるんですよ〜」てな個人情報をチラチラと織り交ぜながら話してみると、とりえずテーブルでお話でも、ってな感じで、社長は方眼紙を出して来た。
(これは……本格的だぞ)
なんとなくそう思うのだった。知らんけど。素人は舞台装置に騙されるものである。
間取り、要望、工期や予算、などなどを思いつくままに語ると、社長はふむふむと言いながらスラスラとメモって行く。
特に小市民にはご予算についてが重要だ。今までの経験をふまえ、ちょっと少なめに申告する。
「この感じだと、十分予算の範囲内に収まると思いますよ^^」


神様か!!


断言され、俄然嬉しくなるワタクシ(単純)
「ではマッマを連れて一度詳しくお話させていただきます!」
テンション高く次の約束をとりつけたのだった。

×

非ログインユーザーとして返信する